映画『キーパー ある兵士の奇跡』

キーパー ある兵士の奇跡 (2018)THE KEEPER/TRAUTMANN 監督 マルクス・H・ローゼンミュラー

「AWAKE」に引き続き鑑賞。キーパーはサッカーのポジションの中でも特別な存在だ。キーパーが完ぺきであれば、そのチームは決して負けることはないのだから。

この作品、戦争が絡んでいるのだが、ほとんど陰湿な感じはしません。(日本の映画で戦争が絡むと陰湿になってしまうのは、「一億総火の玉だ」とか言っていたからでしょうか。)捕虜であっても、被害を受けた市民でも抜けたような明るさを感じます。

主人公がキーパーを務めることで、たくさんの勝利をもたらしてくれます。私もサッカー観戦が趣味なので、本当にスタジアムにいるような気分にもさせ、歓喜を味わうことができます。でも歓喜で終わらないのがこの映画の本当の見所です。

どんな人にも悲劇は訪れる。禍福は糾える縄の如し。ダンスパーティーのシーンがよく出てきましたが、ダンスと悲劇を対比して観ていました。この人たちにも(自分にも)それぞれどんな形であれ悲劇が訪れる。だけどダンスを楽しむ。だからこそ、ダンスを楽しむ。

観てよかったと思える、良い作品です。