映画『罪の声』

罪の声 (2020) 監督 土井裕泰

市内の映画館で観賞。グリコ森永事件の1984年、私はまだ大学生だった。遊びほうけていた頃で、そんなに関心が高いというほどでもなかった。子どもの声が使われていたことも知ってはいたが、それが本作のモチーフになるとは。

実際にあったしかも未解決の事件を扱っているだけあって、私も当時の様子を思い重ねながら観て、ストーリーに引き込まれていきました。2時間半近くの上映時間ですが、昭和と平成、二つの時代が交互に語られて長さを感じさせません。

35年前の事件。私がまだ生きているように「声の主」も実在するはず。それを切り口にして事件の真相を描き出すという展開がよくできているなあと思いました。くすぶっていた新聞記者が、この事件に関わることで新たな気概を見つけていく姿も伝わりました。

編集長が言った言葉、「意義が伝わるような記事を書け」が心に残りました。犯罪者を見つけ、面白おかしく記事にするのが新聞記者かと思いきや、真相を探り見つけ出すことで、人助けにもなる。要は新聞記者の使命感だということだ。それは自分自身にも返ってきます。

高評価にも納得な重厚な映画です。おススメ!