映画『おかあさんの被爆ピアノ』

おかあさんの被爆ピアノ (2020) 監督 五藤利弘

近くの食堂でお昼を食べ、すぐにまたミニシアター。戦争をテーマにしたものをやはり観ておくべきかな、という気持ちで観賞する。

主演の武藤十夢について学んだ。AKBのメンバーだって。気象予報士なんだって。そして「むとうとむ」、名前が回文なんだって。アイドルだからかわいいのですが、親に文句を言う声の「どす」が利いていて、こわいこわい。それよりも母親役の森口瑤子さんの方が好みだな。

劇中の矢川さんは実在していて、被爆ピアノの音色を全国に届けている。悲惨な戦争を繰り返してはいけない、というメッセージをこんなふうに発信する方法もあるのだ。矢川さんも、主人公の母親も、被爆2世だ。原爆が被害者だけでなく、2世にまでも傷跡を残しているのだということがわかった。

被爆ピアノ」という題だが、原爆投下の悲惨な場面、恐ろしい場面はほとんど出てこない。原爆から、残された人々の生きざまを考えさせられる、そんな映画です。