読書10‐18『脱・成長神話 』Ⅱ

労働の生産性の上昇と終身雇用は相矛盾する

仕事で成果を出すことはとても大切なことだ。成果を出さなければ早々に職を失うことになりかねない。だが、成果を出すことに注力してしまうとそれはそれでまた不都合なことが起こる。「中庸」という言葉の重みを知る。

~技術革新による労働生産性の上昇と「完全雇用」とはそれだけを取り出せば相矛盾するものです。この2つを両立させるためには生産性の上昇を上回る雇用増加を実現するような高い成長が目標とされることになりました。ここに成長志向の強い経済が追求されることになる理由がありました。~

「生産性の向上」と「終身雇用」は相矛盾する。考えてみれば当たり前なのに気づかなかった。生産性を上げようとすれば人的コストを常に見直さなければならない。そこでは人員カットもあり得る。「終身雇用」は「年功賃金」「企業別組合」と並び日本型経営の特徴なのだが、高度経済成長していたからこそ「終身雇用」が許されたのだ。いまだに「終身雇用」という常識から抜け出せない。だから、日本は労働生産性が低いのだ。

~健康保険制度や失業保険などの整備は、ヨーロッパ型の福祉国家と比べると大幅に立ち遅れたままでした。経済成長が持続したことが、こうした側面での不備を覆い隠していました。そしてその不備を人々のつながり、共助の仕組みの中で補い支えてきたのです。~

若い人はそうは思ってないと思うけど、我々の意識の中に、日本はまだ先進国だ、という意識がある。その夢がなかなか醒めないのだ。だから、まだまだ成長すると思っているし、現実を見据えられない。(R7.1/30記)