映画『山歌(2022)』

山歌(2022)  監督 笹谷遼平

近所のコメダでモーニングを済ませ、2日続けて自転車で隣市のミニシアターへ。はっきり言って足腰の疲労が気になったが昨日の映画100歳の老人を思い出して、自分を励ました。某サイトの評価点が高く、期待して臨んだ。

取り上げた題材、テーマ設定は素晴らしいと思う。役者の演技も見事だった。しかし、期待ほどではないし私なら高い点はつけない。それはなぜか。リアリティがないからだ。例えば主人公。てっきり大学受験を控える高校三年生かと思いきや、なんと中学生。これだけでも違和感たっぷり。杉田を使いたいのなら、高校生としておけばいいではないか。そして、サンカの人たち。渋川は演技はよいが風貌が整いすぎている。小向の着物が綺麗すぎる。

私は30年ほど前、近県の山村に住んでいる自称縄文人に会いに行ったことがある。縄文時代の教材研究のためだ。俗世間から離れて山に棲みつくのだから、綺麗であるはずがない。髪の毛ボーボー、顔は真っ黒しわくちゃなはずだ。その他細部にわたり違和感が目に付いてしまう。そのあたりをもう少し突き詰めてほしかったな。そうしたうえで、サンカに対する現代の受け入れ難さ、それでもサンカを続ける理由など浮き彫りにしてほしかった。(R4.6/5記)