映画『英雄の証明 (2021)』

英雄の証明(2021)GHAHREMAN/A HERO 監督 アスガー・ファルハディ

評価は悪くなかったと思う。掘り出し物の良作ではないかという自分のカンも働いて、隣市のミニシアターへ自転車で向かった。上映開始直前に到着することができた。

正直、物足りない作品だった。無実の罪を着せられた主人公が、あの手この手で自分の潔白を証明し自由を取り戻してハッピーエンドみたいな流れを予想していた。しかし、そうではなかった。

主人公が全く英雄ではない。多額の借金を抱えて収監され、嘘をついてでも出所しようとする。他人を巧みに利用しようともする。金貨の持ち主を探し出すのだが、連絡先も確認しない間抜けさ。そして、表情はいつ見ても冴えない。私はそんな主人公に共感も同情もできなかった。ついでに言うと、その相手役の女性も私の好みではなかった。

休日はいつもそうだが、今日も5時前に起きてしまったのか、鑑賞中も寝落ちをこらえるのに必死だった。舞台が自宅、収容所、街の中で収まっているのも退屈な理由だ。こんなことなら、おとつい無理をしてでも『ロスバンド』観ておけばよかったと思ってしまったが、後の祭り。またいつか良作に出会えるさ。(R4.5/28記)