映画『夜明けのすべて』

ハンディの似た者同士支え合いそれぞれ抱える闇の深さを

夜明けのすべて 2024年2月9日公開-119分-ドラマ 監督 三宅唱 制作国 日本

仕事から帰りブログを書き、夕飯のおかずを作る。疲れていなくもなかったが、こんなチャンスもそうそうないと思い、代車で隣市のミニシアターに向かった。途中ドラッグストアに寄り、キャラメルポップコーンを購入。

その存在は知っていたけど、完全に見くびっていた。が、近年まれに見る高評価である。しかもレビュー数も多い。やはり、それなりの秀作なんだと思う。

まず、パニック障害PMSという問題を取り上げているということ。一見すると深刻そうでもない問題だが当の本人でなければその苦しみは分からない。自分も心療内科にお世話になったことがあるが、薬の服用まではなかった。あらためて障害を知ることができてよかった。そして、起伏が平坦なストーリーがいい。映像描写も含め、まるでドキュメンタリーかというほどだ。急かさずにたんたんと進み、抑揚の有無を、観る者に任せているスタンスなのだ。さらに役者の演技。どの人物も日常に上手く入り込んでいる。特に上白石のスナックを食べ終わるシーンには逆に衝撃を受けた。

恋愛映画ではないが、あの二人は離れ離れになった。だがきっとこれからも支え合うのだろうな。いやあの職場での人間関係は、永遠に続く。そう思わせる映画です。(R6.5/3記)

 

読書9‐14『「がんばらない」ススメ』Ⅱ

呼吸入れ右手左手合わすこと 自分と世間がともに歩まん

給食がなく、弁当持ち。ちょっとした行事もあり、イレギュラーで個別対応を迫られた一日であった。ストレスもたまったが、それでも「明日からはまた連休だ」という気持ちに支えられ、一日を乗り切ることができた。

~左の手は自分自身、右の手は相手や世間を意味します。左手と右手を合わせるということは自分と相手もしくは世間とともに歩もうという決心を意味します。一呼吸入れてから手を合わせてみましょう。不思議なことに心が落ち着いてくるのです。これが祈りのしくみ、正体なのです。~

私は週に一度、隣市の禅寺に行き、座禅をしている。もう5年以上になる。手を合わせることも多い。左手は自分、右手は他人。一人では生きていけないということだ。手を合わせる意味は、10人の宗教者に聞けば、10通りの回答が返ってくる気がする。だが、この意味は割とすんなり納得ができる。

~あなたは怒っている人を美しいと思いますか。怒りはあなたからすべてを奪ってしまいます。そんなもったいないことはぜひともなさらずに。~

子どもを前に、感情的に処理してしまえたらどんなにかいいだろうと思うときが多々ある。そもそもそういう役回りなのだ。だが、感情的になったらだめだということをこれまでのブログで学んでいる。感情的になることで、失ってしまったものがあるのだ。

~あなたは自分の心の状態にいつも気を配り、音が乱れないように心を整える必要があります。仏教では「調心」と呼び、「調身」(姿勢を正すこと)「調息」(呼吸を整えること)と並び、座禅の三大要素としています。~

ある程度感情をコントロールできるようになったのも、毎週の座禅の成果なのかもしれない。姿勢や呼吸も大切なのだ。(R6.5/2記)

読書9‐14『「がんばらない」ススメ』

かなえてもかなえなくても意味がある

向かう過程を味わうことに

んばらない」ススメ 幻冬舎新書 – 2015/3/14 酒井 圓弘 (著)

視写期間 2019年12月1日~12月6日 視写量 9p

著者は妙乗院住職。「自分がだいじだからこそ自分に甘くていい。“自己中和尚”が教える、あるがままに自分らしく生きる方法」とあった。

仏道とはこの煩悩を取り去る修行のことです。煩悩をなくし、「清らかな心」で生きる。「ありのままに生きる」ことが人生を輝かせることなのです。そのためには背伸びをしない。がんばりすぎないことが大切です。あなたの心はもともと美しいのです。飾らず素直に生きてみましょう。~

昨日のブログで「大きな目標を目指して動くことで~」という文を見て、どうして自分には大きな目標がないのか気にかかった。しかし、今日、仕事を終えて帰ってみると分かった。もう一日を乗り切ることで、いっぱいいっぱいなのだ。余力があれば、それを目標達成に動員できるだろうが、そうは思えない。目標を意識せずに、頑張りすぎないことが大切なのだ。

~自分の願望がすべて叶ってしまったら人生はむしろ味気ないものになってしまいます。夢や目標という願望はなかなか叶えられないからこそ、人生の醍醐味があるのです。~

そうなると叶えられなくとも、いっぱいいっぱいでも、夢や目標を持つということが大切なのか。叶えられないからあきらめるのではなく、叶えられないことを味わえということか。(R6.5/1記)

読書9‐13『現代語訳 学問のすすめ』Ⅸ

人望は言葉と、見た目と、友人作りから

GWの前半が終わり、中日の三日間が始まる。巷では十連休と騒いでいるが、学校に通う子どもや教員には縁遠い話である。自分のモチベーションも上げるのも大変である。無難に一日を終えるだけでやれやれという気持ちだ。

孔子は「立派な人間は他人が自分のことを評価してくれないと嘆くのではなく、自分がすぐれた他人を評価しそこなっているのではないか、ということを気にかけなければならない」と言った。~

「~してくれないと嘆く」とは「~してもらいたい」の裏返しである。袂を分かつことになった年上の彼は、私に「どうして~してくれなかったの」と迫った。私はその人の依存心の強さに半ば呆れる気持ちだった。自分の力で打開しよう、自分の力で切り開こうと思わず、人任せな姿勢を残念に思った。年を重ねるほど、誰かを頼ったりしてはいけないと思う。

~第一に言葉について勉強しなければならない。第二に表情、見た目を快くして、一見してただちに人に嫌な感じを与えないようにすることが必要である。第三に、ただ旧友との付き合いを忘れないだけでなく、さらに新しい友人を求めなくてはならない。~

「新しい友人を求める」なんて全くできそうにない。自分にとって「友人」なんて大げさだけど、自分の周りにいる以前から知っている人、新しく出会った人、そういう人たちに誠意をもって接していくことにしよう。

~今の時代に最も必要なのは大きな目標を目指して動くことで、自分自身も充実するという連環ではないでしょうか。~

仕事での大きな目標がどうしても思い当たらない。一生懸命働いているが、その原動力は責任感であり、大志ではない。

人望は言葉と見た目と付き合いと自分ができることの探究(R6.4/30記)

 

読書9‐13『現代語訳 学問のすすめ』Ⅷ

知性を働かせ、正直であれば、人望を獲得できる

3連休最終日。長女家族が我が家に泊まりに来た。孫娘に泣かれないように、彼女が目覚めるまでずっと添い寝をさせられた。朝食はホットケーキ。娘たちが小さい頃、休日の朝はよくホットケーキを焼いた。久しぶりに焼いたら、中まで火が通らずに失敗していた。

~人生というものは思いのほかに悪事をなし、思いのほかに愚かなことをやり、思いのほかに事を成さないものである。~

自分も含め人はついつい尊大になってしまうのだろう。そして悪事など起きないのが当たり前、順風満帆が当たり前だと思ってしまうのだ。そして、現実はそうでなく裏切られたように落ち込む。

~その原因はと言えば、ただ流れに任せて生きているだけで、かつて自身の有様を反省したこともなく、生まれて今まで自分は何事を成したか、今は何事を成しているか、今後は何事を成すべきか、と自身の点検をしなかったことによる。~

大きな失敗とか大きな不幸がなければ自分への反省もしない。平凡だが家庭を築き、そして学校教育に多少は貢献できたか。今は、娘の子育てに協力し、仕事では特別支援教育に従事している。休日はボランティアをしている。今後は何を為すべきなのか。最後の問いが大きな問題だ。

~人望とは、その人の活発な知性の働きと、正直な心という徳をもって次第に獲得していくものなのだ。~

徳という特別なものを用意しようとしなくてもいい。正直であればそれでいい。だがそれがなかなかできない。だから「正直であれ」というこころがけが必要だ。

何事をなしたか なそうとしているか 見つめるべきは自分の姿

(R6.4/29記)

映画『ラブリセット 30日後、離婚します』

韓国映画ラブロマンスは苦手?

ラブリセット 30日後、離婚します 2024年3月29日公開-119分-コメディ/ロマンス 監督 ナム・デジュン  制作国 韓国

歌ボラが終わり帰宅、ブログを書き、雨が止んだのを確認し、ジョギングで市内のシネマに向かった。割引チケットの期限は2日後。特に魅かれる作品はないのだが、この時間で観られる最も評価の高い作品をチョイス。

韓国映画は期待を裏切らないと思っている。しかも本作の評価は高い。だが、韓国映画ラブロマンスは苦手なのかもしれない。

男の主人公は苦学して弁護士になったという設定だが、なぜかムキムキの筋肉で、そう思えない。ヒロインも可愛いのだが、もっと魅力的な女優はいるだろう。コメディ要素を膨らませるためのいろんなドタバタはあるのだが、自分の好みではなかった。

ただ一つ、端役で見覚えのある役者が出ており、良い味を出していたのだが、やはり『空気殺人』でキーポイントになる役者だった。『空気殺人』はなかなかいい映画だったな。

カップルが記憶を失い同居して 見つめ直したお互いの良さ(R6.4/28記)

歌ボラ『O施設』

既唱感による気の緩みと根本的な練習不足

歌ボラ『O施設』モーリスW‐120R

曲目:夕焼け小焼け/シャボン玉/富士山/どじょっこふなっこ/ふるさと(以上ハーモニカ)/バラが咲いた/上を向いて歩こう/一杯のコーヒーから/ちょうちょ/朧月夜/鯉のぼり/七つの子/幸せなら手を叩こう/いつでも夢を/涙の連絡船/チャンチキおけさ/影を慕いて/たれか故郷を思わざる/ふるさと

ハーモニカ、定番2曲までは順調。「一杯の~」は、老眼であることに、照明の照り返しで歌詞が見えづらいこともあり、歌がたどたどしくなってしまった。何も考えずに譜面台の用意をしているが、角度設定に配慮が必要なのではないか。もっと時間に余裕をもって準備することも必要だ。

「朧月夜」で歌う前に歌詞を口ずさんでみたら、みなさんが合わせてくれた。そういう余裕が必要なのだ。「ちょうちょ」もそうすればよかった。「鯉のぼり」と「こいのぼり」は絶対に利用者さんには前者が受けると思ったのだが、違っていた。

後半に進むにつれて重くなる。他施設よりも利用者さんとの距離を感じてしまい、「喜んでくれるだろうか」と不安になってしまうのだ。そこで、歌も力んでしまう。さらに給水も忘れて喉に負担をかけ、痛めてしまう。それがスパイラルなのか、「たれか~」では歌詞も間違える。「歌ったことがある」という気の緩みと根本的な練習不足も満足のいかない原因だ。愛想をつかされる前に、もっとよいステージになるよう努力が必要だ。次の訪問は、5月18日のH施設。O施設の次回訪問は6月15日。(R6.4/27記)