映画『はい、泳げません(2022)』

はい、泳げません(2022) 監督 渡辺謙作

まったくのオフの土曜日。3が付く日は隣市ミニシアターのサービスデーである。「映画祭り」と決め込んで3本観ることにした。自転車で、途中ドラッグストアで昼食を買って、約45分かけてミニシアターにたどり着いた。

本作はそんなに評価が高くないので期待しなかった。2時間ドラマっぽいチャラけた作品なのかと思ったらそうではなかった。とてもいい作品だと思う。

チャラけていたのは出だしだけだ。主人公がなぜ泳げないのか、というより、なぜ泳げるようになりたいのかがよく分かった。そんな主人公の過去、人間関係などの背景が明かされることで、心情に引き込まれていく。

コーチ役の綾瀬はさすがである。主人公よりずっと若いのに、コーチとして生き方も教えてくれる。彼女もトラウマを抱えながらも真剣に生きているからこそだと思う。ある人物が主人公に生きる意味を問うが、彼女が「生きるのではなくて、生きちゃっている」みたいなことを言ったのも心に残った。心底、観てよかったと思った。

付言だが、主人公とコーチが「いい仲」にならないのかなと期待したが、下衆の勘繰りだった。綾瀬はるかは、ある意味、神格化されているのだ。彼女の恋愛モノなんてあり得ないのではないか。(R4.9/3記)

特別寄稿『誕生日が来ました』

本日、誕生日を迎え、めでたく57歳となりました。確か、これまで自分の誕生日に『当ブログについて』というブログ紹介をしていたと記憶しています。

誕生日というのはやはり特別です。私も本日、時々に「今日は誕生日なんだ」という心の声が聞こえてきました。仕事を終え、家に帰り、パソコンの前に立ち、誕生日を迎えた心境でも記そうかと思っていました。

ですが、一つ年を取ったからと言って、何かが変わるわけではありません。何かを決意し、志を立てる気持ちもそれほど湧きません。まあ、今までの生活をこれからも続けていくだけか、といういたって消極的な心持ちです。

今、私のいちばんの関心事は、自分の腹囲です。健康診断では昨年度よりもその記録を大きく伸ばしてしまいました。今年、給食の残飯を減らそうと一際頑張ってしまったのが災いしたようです。その対策として毎日30分程度のジョギングを続けているし、腹筋の筋トレも新たに課していますが、未だに効果は表れません。もっと抜本的な対策が必要なようです。

そこで、あまり大きなことを欲張ってもいけません。自分としては、腹のぜい肉を少しでもスッキリさせたいと思っております。

今後とも、「いつも読書、時々映画、たまにグランパス」当ブログをよろしくお願いします。(R4.9/7記)

読書6-19『広く弱くつながって生きる』Ⅴ

良好な横のつながり、人間関係を構築するための助言が続く。

~理想的な年上像が分かってきます。一つにはいつも笑顔でいること。もう一つは好奇心旺盛なこと。謙虚な姿勢で積極的に近づいている人は年齢に関係なく好かれます。~

もうアラ還だ。自分の接するほとんどが年下だ。笑顔でいるには上機嫌でないといけないな。自分の殻に閉じこもっていては好奇心旺盛にはならないな。

~自分がやってきたことに誇りを持っている人ほど、変なプライドに固執せず若い人に教えを請い、自分のものにしていっています。70歳ぐらいで人生を振り返ったときに「正しいプライドを持って生きてきた」と思えるように、自分が持っているプライドを見直してみてください。本当のプライドは、他人のことを素直に受け入れるところから生まれてくるのです。~

プライドを見直すというのはよくわからないけど、「させていただく」という謙虚な心と、「ありがたい」という感謝の心を忘れないようにしよう。そうすれば、おかしなプライドにはならないと思う。

~人間は数字にとらわれると、不幸になるだけです。~

本当にそうだと思ったから記しておいた。かつて、子どもに新学期の目標を書かせるときでさえ、数値目標にすることを奨励していた。営業のノルマじゃあるまいし。今や数字とは対極的な生活を意識している。毎朝ジョギングをするが、距離もタイムも気にしていない。映画をよく観るけど、月当たりの本数など全く気にしていない。ちゃんと調べればわかると思うが、そういう気も起きない。例外もある。食事の咀嚼回数はできるだけ意識的に数えるようにしている。胃腸に負担をかけたくないからだ。(R4.9/2記)

映画『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022)』

ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022)SONIC THE HEDGEHOG 2 監督 ジェフ・フォウラー

ついに2学期が始まった。それに対する感情よりも、今日が映画の日だということの方が重要だ。勤務時間終了まできっちり仕事をし、家に帰り、味噌汁を作り、洗濯物を干し、ドラッグストアでジュースとお菓子を買って、市内の劇場に向かった。

本シリーズは前作も見ているが、なかなか面白い。そして今作もまったく期待を裏切らなかった。最後の最後の最後まで楽しめる作品になっている。

まずはソニックのキャラがいい。無鉄砲でまっすぐで、情に厚い。ヒーローの王道キャラだ。はるか彼方からも友達が会いに来るほど、闘いあった相手でさえ味方に取り込んでしまうほど魅力的だ。そしてやっぱりジム・キャリー。敵役としてのパワーも存在感もパワーアップ。ソニックとのバトルは、壮大で激しくスピード感たっぷりだ。

子ども向けだし必ず負けないから安心して観ていられるのだが、それでもドキドキ。そして最後は少しこみ上げてくるものもある。日常の喧騒を忘れて楽しめるナイスな映画です。(R4.9/1記)

読書6-19『広く弱くつながって生きる』Ⅳ

横のつながりをつくるためには、良好な人間関係をつくらねばならない。

~大切なのは自分が備えているある種の知恵のようなものを、求められたら提供することです。求められなければ何も言わないのが肝要です。つまるところ、相手にとって必要な人と思われればいいわけです。~

「求められたら」というのが肝要だな。誰しも年をとれば知恵はたまるものだが、それを伝えねばと力んではいけない。ただの出しゃばりで終わってしまう。私もがまんして求められる時を待とう。

~私があまり好ましくない人物と判断する条件①自慢ばかりしている人、②誰かと知り合いなのを自慢する人、③自分にばかりベクトルが向いている人、④人の悪口や何に対しても文句ばかり言う人、⑤お説教の多い人、⑥物事を損得で考える人、業界内の話しかしない人。~

私に心当たりがあるとしたら③だろうか。それまで誰にでもいい顔をしていた自分に嫌気がさしたのだ。その反動で、自分のことばかり考える自分になっていないだろうか。自分のことだけを考えるな。じゅうぶん注意せねばなるまい。

~自分というのはしょせん鏡のようなもので、自分(個人)だけを見てもその人となりはわかりません。どんな人間と関係を築いているかによって、鏡のように自分自身が逆照射されて見えてくるのです。~

~自分が高みにいると自信を持つ人より、自分にはまったく自信がなくとも、周囲の人間に恵まれている人の方がずっと魅力的です。~

自分が高みにいるとは思っていないけど、なりたい高みは目指している。だけど、そうではなく、良好な横のつながりを意識的に作っていくことの方が大切なのかもしれない。(R4.8/31記)

読書6-19『広く弱くつながって生きる』Ⅲ

筆者は横のつながりの作り方を提案している。

~まずは社会活動をきちんとやる必要があるでしょう。何らかの催しに積極的に参加してみることが大事だと思います。目的は参加することではなく、交友関係を広げること。簡単に言えば友達作りです。~

私の交友関係は狭いのだろうな。職場の同僚は縦のつながりとして、それ以外は組合、習い事程度の20人くらいしかない。もっと交友関係を広げることに積極的にならなくてはならないのだ。

~自分は絶対に悪にならないと過信したとたん、人間は暗黒面に落ちます。正義はいつでも悪に転ずる可能性があると自覚すること、悪を抑えようと思っている人たちとつながることが、非常に重要になってきている。~

ということは、自分も「悪を抑えよう」と思うことが大切だということだ。「絶対に悪にならない」と思うのではなく「悪を抑えよう」と思っていれば悪に転ずることはないのではないかな。

~外に出たり遊びに行くのも仕事だと思うのです。人間関係を広げたり知らない世界に足を踏み入れる「インプット」という仕事です。お金になることだけを「仕事」と定義する必要はありません。休日のインプットと平日のアウトプット。両輪で仕事が成り立っているという感覚を持ってください。~

仕事が終わって、家に帰ったら、読書したり、ブログを書いたりしている。それも自分の務めだと思っている。勤めも、努めも、務めも同じなのかもしれない。もう私は決めたのだ。「教師として向上しようとは思わない、人間として向上するのだ」と。仕事では自分を出し切ること。読書、視写、ブログ、映画で教養を高めること。両方を取り組んでいる。(R4.8/30記)

映画『NOPE/ノープ(2022) 』

NOPE/ノープ(2022) NOPE 監督 ジョーダン・ピール

今日は休みを取り組合の用事を済ませ、近くの温泉に寄った。そこでお昼ご飯も食べ、高速で1時間かけてわが町に戻った。喫茶店で休憩してから市内の劇場へ。娘からもらったチケットの期限は明日まで。最後の5枚目を使いきることができた。

本作は評価は高くないが、『ゲットアウト』がおもしろかったので、今作も気になって鑑賞を決めた。『ゲットアウト』のようなホラーではないが、じゅうぶんに怖くて、ところどころを薄目で観た。こういうドキドキが嫌いではないのです。

最初は意味が分からない映像があり、伏線となって、その実像がだんだん明らかになっていく。そういう造りは本当に見事ですね。そして主人公は、やはり『ゲットアウト』だったのだ。不器用だが腰が据わっており得体のしれない相手にも対峙できる、そんなキャラをうまく演じている。怖いシーンがあるけど、彼だから安心できたところもあるな。

とはいえ、観終わっても腹に落ちないシーンもあり、もう一度観たいという気にもなる作品です。ジョーダン・ピール作品は今後も要チェックや!(R4.8/30記)