映画『茶飲友達(2022)』

茶飲友達(2022)監督 外山文治
前作鑑賞後、すぐにチケットと缶コーヒーを買い、座席に着く。サイトの評価もよく、前作よりも本作の方をメインとして期待していた。

監督は外山文治。CM演出を多く手掛けており、長編映画は3作目。本作の脚本も手掛けている。注目俳優は岡本玲。この人を最もよく見るのはプロミスのCM。この人が出る映画を初めて観た。熱演は認めるけど、この人のロングヘアーは似合わないと思う。

正直、期待したほどではなく、怖いもの見たさの映画だった。テーマから言って、感動は望んではいなかったが、高齢者の孤独や性という社会問題に深く切り込むという内容ではなかった。高齢者の売春以外に、不倫で妊娠してしまう女性、商売に失敗して車中泊する男性などなど一つ一つが重い問題を、詰め込み過ぎているのだ。

観ていてどうにも納得できない点も目立つ。特に、ラストシーンで母親が岡本に会いに来る、というカットがあるのだが、呼吸器をつけて余命幾ばくかの人物が、遠く留置所に会いに来れるものなのだろうか。また、岡本が逮捕され、刑事に説教されるのだが、ストーリーの結末が説教でいいのだろうか。岡本自身が気付かされる展開が必要だったのではないか。岡本は刑事から「あんたは人の気持ちが分かっていない」と言われるのだが、人の気持ちが分かっていないのは…?、ということです。(R5.4/22記)