映画『そして僕は途方に暮れる(2022)』

そして僕は途方に暮れる(2022)監督 三浦大輔

昨日に引き続き、喫茶モーニングは小倉トースト。休日はこれを食べないと気が済まない。何気に市内シネマのサイトを見ると、いい具合に映画が観られる。喫茶店を出て、ジョギングでスーパーへ天然酵母パンを買いに行くが売り切れ、その足で逆方向の市内のシネマに向かう。2日連続になった。

なかなかに面白い作品だった。ただのアイドル映画ではない。しょうもない主人公が友人や家族から逃げ続ける、という物語だ。終盤の主人公の吐露には、私もじゅうぶん共感できる。そもそも誰だって、生まれたくて生まれたわけではない。そしてこの国は豊かだからか、一般的な家庭なら、そう苦労もなく生きていける。それこそ、なんとなく生きられるのだ。自分の気持ちが分からない、自分でもどうしたらいいか分からない、というのは多くの日本人に当てはまる偽りのない心情なのではないか。

出演者全員、あの元アイドルさえも、自然な演技でストーリーを紡ぐ。エレキギターのブルースが悲しげに、主人公のしょうもなさ、漠然とした倦怠感を演出する。希望はないが、また違う意味で観る者を励ます映画だ。(R5.1/22記)