読書7-1『親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと』Ⅷ

親の価値観を子どもに押し付けるなということだ。子供の「好き」を第一にすること。

~親の価値基準をゆさぶってくれるのは結局生身の子供です。それが子どもの素晴らしさだと思うしかないのではないでしょうか。生身の子供がいるのです。子供に従うしかない。子供が「何を好きか」を基準にする他はない。それを助けることしか、親のできることはないと思います。~

子供が生まれる。それはまっさらな人間との出会いだ。その子が価値基準を身につける中で、親はそれまで持っていた価値基準の正否を問われるのだ。

我々教師は、好きも嫌いも関係なく、学校で勉強を教え込んでいる。好きならいいのだが、嫌いなのに、苦手なのに、問題を解かせたり、練習させたりする。それはもしや「児童虐待」なのではないかと思わないでもない。

~「好きだ」ということに手を貸してやるしかない。「何が好きだか分からない」という子には見つかるまで待ってやるしかない。そのくらいしか親のできることはないし、責任もない、と思います。~

~親は自分の人格以上のものを口先で子供に伝えることはできないし、口で伝えられるようなことは黙っていても伝えてしまっているのが親子というものではないか。自分の毎日の姿で伝えるしかない。~

私は、そんなに親から口うるさく言われたことがなかった。そして、子どもにもそんなに口出しをしなかった。正直、これを伝えたい、というものがなかったのだ。大げさなものがなくても子どもは育つのだ。

~親のできることはほんの少しなのだと思います。ほんの少しだって随分大変なのだから、それ以上集中して邪魔者になるのはよそうよと思います。~

我が子に、こうなってほしい、という願いは特にない。しかし、全面的に協力は惜しまない。(R4.10/6記)