読書『男はなぜこんなに苦しいのか』(海原純子)

男はなぜこんなに苦しいのか (朝日新書)– 2017/5/1 海原純子(著)

私は男だが、男だから苦しいとはそんなに思ったことはない。女がうらやましいとも思ったことはない。著者は医学博士、心療内科医、産業医。回復力を身につけ、ストレスに強い自分になるための方法が書かれているとのこと。

~職場で生じた怒りや不満を黙って抑え込んでいることでストレスが生まれる。これを表現することが不可欠である。表現するというのは何らかの形で自分の心の中の感情を外に出していくことですから、その気持ちを書いてみる。書いてから後でもう一度読んでみる。そうしたプロセスで自分の気持ちを客観的に点検することもできます。~

前の職場では、後半、怒りや不満ばかりだったな。うまくいかずにストレスをため、努力が足りないと思いがんばり、それでもうまくいかずにさらにストレスをためる。いい年なので、愚痴や弱音などで表現することもできない。

~ストレスに陥った人に必要なのはまず気持ちを表現することと、仕事内容の理解ではなく、気持ちへの理解、想像、共感である。これを実感できるとストレスに対しての回復力がアップする。~

「客観的」という言葉があったが、ストレスが溜まったとき、その自分を客観できるかどうかが重要なのだ。怒りが生じたとき、心の中で「今、私は怒っているんですね」と自分に言い聞かせることで、怒りを抑えられる、という文章を読んだ気がする。

~「これで命を取られるわけでもないですからね。やれることはやったから、あとは手放してみよう」と時々思えるようになりました。~ 

努力したのだから失敗するはずがない、と思っていた。が、生きている限り、失敗だって不幸だって不運だってあるのだ。それでも命は取られない、きっと。だから、「やれることはやった」と思えるかどうかだ。(R4.9/9記)