読書6-18『社会力を育てる』Ⅹ

5日間、家を空けていた。こうしてパソコンの前で文を書くのも久しぶりである。

終戦直後の新教育が育てようとした能力の中核をなしていたのは自らの知識と判断によって日常生活で直面する問題を解決し、生活をさらに向上させていける力であったとみて間違いない。~

~戦後新教育が育てようとした新し学力とは「事態の中に入り込んで事態を変革する学力」や「良き社会の建設のための学力」のことであり、言葉を変えれば「社会を変えていく力」こそ真の学力であるということになる。~

太平洋戦争によってたくさんの若い命が犠牲になった。それは当時の皇国史観に基づいた教育がなされたことにもよる。終戦となり、その反省に基づいた教育が立ち上がったのだ。

~自分一人でまた他者と協働して、それぞれが身につけた知識を編成しなおし、新し知識を作り出し、直面する問題を解決するために、その新しい知識を活用することができる能力(コンピテンシー)を育てることであった。~

戦後新教育が目指したものとコンピテンシーが「直面する問題を解決する」という点でとても類似している。終戦直後に湧きあがったものが学歴偏重社会の隆盛に打ち消されてしまったのだろうか。(R4.8/16記)