読書『子ども格差』Ⅱ

教育問題では必ずと言っていいほど、この国の話題が上がる。フィンランドだ。

フィンランドは経済危機に直面しながらも、今日の日本のような極端に新自由主義的な競争や規制緩和、教育の民営化路線に走ることはしませんでした。~

よくフィンランドと比較するときに、国の規模が違うから比較にならないという言い訳が聞かれる。調べると、日本は11位で125百万人、フィンランドは116位で5.6百万人。なるほど、こんなに違うのか。これではただ単に比較しても仕方ないかもしれない。

ところで、競争主義は見直すべきだと思うが、規制緩和や民営化路線は認めてもいいと思う。例えば、公立小中学校で不登校になっている子どもを学習させる塾や、家庭教師が認められてもいい。学校の登校に無理に格闘しなくても、その子にあったスタイルで学力を身につければいいと思うのだが。

~すべての子どもに平等な教育機会の保障と「フィンランド・メソッド」と称される子どもたちの洞察力を豊かに育てる学力構造を開発し、幼児期からの実践を重視していき、教育に十分な予算をつぎ込んでいったのです。学費は、小学校から大学院まで無償にする大胆さでした。~

これも日本の人口が多いことに関わっている。洞察力にフォーカスしていては、テストの選抜ができない。高等教育まで無償にしていたら、我が国は破綻してしまうのだろう。しかし、GDPに対する教育費の割合ランキングでは、日本は115位、フィンランドは25位だ。これだけ教育費が少ないのに、日本は実によく健闘している。それは教員の多忙化と過重労働のおかげだろうな。(R4.4/18記)