映画『 ブルー・バイユー(2021)』

ブルー・バイユー(2021)BLUE BAYOU   監督  ジャスティン・チョン

久しぶりに自転車でミニシアターへ。坂風が強く、1時間近くかけてようやく劇場にたどり着いた。本作は評価がよかったので選択した。

なかなか訴えるものがある作品だ。韓国生まれで養子としてアメリカにきた男が、強制出国させられるという話。何やら法改正により所定の手続きがないと強制送還させられることになっているそうだ。

ネグレクトだろうか特別な事情を抱えているからこそ養子になる。養子になった先でも様々な問題がある。だから主人公も、家庭は持っているもののまっとうな暮らしをしていない。全編通してやはり「ブルー」なのだ。悲しいのに、さらに悲しみが上積みされていく。だが、それでも這い上がろうとする努力に、いくつもの光がちらつき、そこに心を揺さぶられる。

主人公の妻役は『トゥームレイダー』『リリーのすべて』『コードネーム』で観たぞ。こんな役もやるのだな。最後のシーンも感動的なのだが、妻と娘の態度の温度差が少し気になってしまった。とはいえ、心に刺さるよい作品です。(R4.4/16記)