読書『働き盛りがなぜ死を選ぶのか <デフレ自殺>への処方箋』(岡田尊司)

働き盛りがなぜ死を選ぶのか <デフレ自殺>への処方箋 (角川oneテーマ21) 新書 – 2011/4/9 岡田 尊司  (著)

「13年連続自殺者3万人強の日本!」とあった。3万人というのは結構な数字だと思うが、私の身の回りで死を選んだ人物はいない。やはり我ら公務員はなんだかんだ言って、ぬるま湯体質なのだろう。民間企業では、死を選ぶ働き盛りの方がいるのだろう。

財政破綻も懸念されていることだが、実際にそうなってしまった国でも、日本よりはるかに呑気に暮らしている。ブラジルなども90年代には年率数千%ものインフレに悩まされ、国家財政は破綻しかけていたが、明るく元気にサンバを踊って人生を楽しんでいる。~

財政破綻しかけていると言われても、気にせずに呑気に暮らす国か、悲観的になって不安を高める国か。当然我が国は後者だ。悲観的な国民性ということもあるのだろうか。

~日本は、指導者も国民も、この貧困妄想にとりつかれたとしか思えない状況に陥っている。貧困妄想のために本当に貧しくなってしまうという愚かしいことも起きているのである。~

国民性もあるのだろうが、我が国のマスコミの報道が悲観的なものばかりなのが気になる。ロシアなどの国際情勢、値上げなどの経済、コロナ感染症、どれをとっても、楽観的な報道はまったくない。マスコミが煽っているのか、そもそも危機が好きなのか。

~悲観論を真に受けた国民は、ますます悲観的になり、日本の前途を危ぶんでいる。確かに政策ミスから始まったことであるが、それを悪い方向に膨らませてしまっているのは、過度に悲観的で否定的な認知のワナなのである。~

危機ばかりを取りあげて報道していれば、将来への不安は高まるばかりだ。希望を持てなくなれば、死を選ぶのも分かる気がする。(R4.4/9記)