読書『人生を面白くする 本物の教養』Ⅹ

本書で私が一番心に刺さったところだ。

~1年は8760時間です。そのうち仕事をしている時間は残業を入れてもせいぜい2000時間程度。ということは私たちが仕事に費やしている時間は2割ちょっとにしかなりません。~

言われてみれば全くその通りだ。私は3年前までは、2割ちょっとの時間に命を懸けていた。

~私たちの現在の日本人の価値観や人生観は、職場や仕事に少々偏りすぎているのではないでしょうか。仕事の話はできても、文学、美術や音楽、歴史や宗教の話ができないというのもその偏りに起因しているのだと思います。~

私も、仕事の話くらいしかできない。要するに人間としての幅がないのだ。教養がないのだ。

~人間にとって仕事とは何かといえば、「どうでもいいもの」だとあえて言っておきたいと思います。その趣旨は「2,3割の時間より、7,8割の時間の方が大切ではないですか?」という問いかけです。はっきり言って2,3割の仕事の時間は、7,8割の時間を確保するための手段にすぎません。~

「仕事などどうでもいい」と見事に看破していることに感銘を受けた。いい授業をしようと、良いクラスを作ろうと死に物狂いでやってきた。成果が出ずに、自分の実力や運を恨み、それでも負けじと努力を続けていた。が、結果が出ずに、ついには力尽き、仕事を放り投げた。仕事を休んでいた時に、この本、この言葉に出会った。

よく「仕事がなくなったら収入がなくなる」と言う。「だから必死にやれ」と。だが、ゼロサムではない。逆に考えれば「収入さえ得られればいい」「解雇されなければいい」のだ。勤務時間は全力でやる。しかし、それ以外は仕事のことは考えない。話題にもしない。私はそうなった。かえってその方が仕事に集中できる気がするから不思議だ。(R4.1/2記)