映画『ナチス・バスターズ (2020)』

ナチス・バスターズ (2020)  KRASNYY PRIZRAK/THE RED GHOST  監督 アンドレイ・ボガティリョフ

木、金と2日間の宿泊的行事があった。一日明け、だいぶ身軽になったような気がした。午前中は何も予定がなかったのだが、めぼしい映画もない。だが『ナチス・バスターズ』という題名が気になったこと、ロシア映画という珍しさで、隣市の映画館に出向いた。

一本気な、硬派映画だ。第2次大戦、ドイツとロシアの戦いを描いた作品である。決して爆撃機とか、戦車とかの戦いではなく、銃撃戦、しかも少人数の小競り合いといった規模である。だが、それだけに戦いを間近に見ることができ、臨場感高く、壮絶な戦いを見せられる。

また、戦争映画といっても決して画面は暗くも深刻でもない。シリアスな中にも、戦士の個性を垣間見たり、笑えるハプニングも盛り込まれている。上映時間も長くないので、ダレずに飽きずに観ることができる。

表題のレッドゴースト、赤い亡霊が出てくる。確実に敵を射抜くシーンは観ていて爽快感さえ漂う。だが、本当は彼ではないのだ。クライマックスが明け、ラストシーンが物語る。赤い亡霊は、ナチスに挑む勇気すべてなのだ。それこそは「名もなき戦士」、きっとナチスも、罪悪感を感じて恐れたからこそ亡霊と名付けたのだろう。勇気づけられ励まされたように思えて、泣けて泣けて仕方なかった。

自分も「名もない」が、戦うべき場所で「戦士」となれ、と。まさかこの映画でこんなに泣かされるとは。(R3.12/18記)