読書『人生を面白くする 本物の教養』Ⅱ

自分の頭で考えることがなぜ重要なのか。

~様々なことを知り、それによって新たな世界に目を啓かれ、人生が面白く充実したものになる。自分の頭で考えて本当に納得のいく答えを見出し、よりよい社会をつくるために行動に移し、それが自分の生活の向上にもつながる。これが遠回りのように見えても本当に望ましい人間のあり方でしょう。~

自分の頭で考えるのは、納得のいく答えを見出すため。そうすればよりよい社会のために主体的に行動できる。それができたうえでの自分の生活の向上なのだ。

連合王国の保育園では、児童を一対一で正面から相対させる。「相手をよく見なさい。皆さんと同じですか、それとも違いますか」そして相手を替えて、これを全児童に何度も何度も繰り返す。そうすると、児童は人間はみな違うということを自然に会得します。次の問いかけは、「だったら中身、すなわち感じたことや考えていることは同じでしょうか、違うでしょうか」「自分の感じたことや思っていることを言葉に出してはっきりと伝えなければ誰もわかりませんね」~

~児童は自分の感じたことや思ったことをはっきり言えるように育っているから何の心配もいらない。~

保育園でこれをやっていることに驚きだが、保育園だからこそやる意義は大きいのかもしれない。まさに「鉄は熱いうちに打て」なのだ。幼い時から「人間はみな違う」ことを教え込む。対する我が国の学校教育では、異質なものを敵対、排除する方向にもっていってしまう。まるでライン生産する工業製品のように。そして、その方が教師も楽だったりするのだ。そういう日本の教育の体質なのだ。

そしてそれは、自分の感じたこと、思ったことをはっきり言っていいという空気をも阻む。皆がおとなしくしている中で、主張するのは「異質」だからだ。文科省等はディベート、「話す・聞く」の指導、言語活動など手を変え品を変え、その能力をつけようと躍起になってきたが、体質がそうである限り、たいして変わらない。(R3.12/14記)