読書『負けるが勝ち、勝ち、勝ち!』(萩本 欽一)

負けるが勝ち、勝ち、勝ち! (廣済堂新書)  – 2012/9/22 萩本 欽一 (著)

萩本欽一の本である。彼は「運」というものに対して独特な考え方を持っていると私も思う。

~悪いことばかりが一生続く人生はありません。そのかわりいいことばかりも絶対に続かない。~

アンラッキーなことがあると、「日頃の行いが悪い」「罰が当たった」と考えがちである。気を付けていれば、努力を怠らなければ、悪いことは起こらない、と考えがちである。要するに近視眼的なのだ。「禍福は糾える縄の如し」なんて当たり前のことなのに。

~儲け話をもちかけられたら「裏がある」と思って乗らないほうが無難です。僕も一回騙されて授業料は300万円。こういう時は騙した人を恨まず、「一つ厄が落ちたかな」と思うようにしたほうがいいんです。~

300万円騙されて、相手を恨まずに厄が落ちたと思えるとは、なんと大きな人なのだろう。それだけたくさん儲けているということか。

~「僕が大事なのは自分の番組なの。だから競馬でお金を使って番組の運をよくしたいの」~

自分の勝負事が成功するように、意図的に損をするという感覚にはなれない。悪いことをおびき寄せれば、そのぶん後でいいことがあるということだ。理屈は分かるのだが、自分はとてもできない。

~「絶対成功しない。好きで始める仕事じゃなくて腹を立てて始める仕事だから。仕事っていうのは怒りからスタートすると必ずダメになる。転勤しろって言われたのは最高の運だと思う。身体のオーバーホールができるじゃないか」~

これは著者の兄が意に添わない転勤を命じられ、転職しようと著者に相談したときの話だ。「仕事は怒りからスタートと必ずダメになる」というのが気になる。私など、実践の発端はほとんどが怒りではないか。怒りと復讐のループなのだ。

怒りの感情に流されるのではなく、その事象が何を物語っているのか、それを冷静に見つめろということか。(R3.7.29記)