映画『街の上で』

街の上で (2019) 監督 今泉力哉

私は子どもとともに、時折カウントダウンをしていた。午後3時50分、自分の拘束時間まで。10分の割り振りをとりすぐ帰宅、ジョギングをすませて、隣市のショッピングモール付設の映画館に向かった。本作は評価も高いが、「主人公を取り巻く4人の女性」というのがとても気になっていた。

「あーおもしろかった!」観終わった後の第一声である。この映画、とてもいい。本当に観てよかった。まさに「一服の清涼剤」大賞だと思う。

名作というわけではない。感動作でもない。だがストーリーは良く練られていて、その展開に心を奪われてしまう。また、背景や演者が等身大だというのも魅力なのだ。舞台は下北沢、どこかなつかしく愛着が湧く「街」。主人公は彼女に浮気されるダメ男。ありそうでなさそうなシチュエーションが待っていて、そこに共感、同化させられてしまう。

気にかけていた4人の女性。どれも魅力的なのだが、中でもイチオシは中田青渚だ。こんな子から家に誘われてみたいと本気で思った。これからも、セイナを追い続けようと誓った。仕事はクソだ。だが、私には映画がある。