映画『ステージ・マザー』

ステージ・マザー (2020)STAGE MOTHER 監督 トム・フィッツジェラルド

近くの洋食屋でランチを食し、2本目を鑑賞。旅の最大のねらいが本作である。高評価だからずっと気になっていたのだ。

なくなったゲイの息子が経営していたバーを再建する母親の物語である。母親と言っても老母なのだが、この老母がとても魅力的だ。色気ではなく、可愛らしい。演じるジャッキー・ウィーヴァーという女優が本当に素晴らしい。

ただ再建というだけでなく、息子がかかわってきた人たちを親身になって思いやり、手を差し伸べる。彼女が、あらためて「マザー」なのだと感じた。それを彼女は「ハーモニーをつけただけよ」とうそぶくのだが、まさに登場人物一人一人を調和させていたのだ。

劇中のいい人すべてがハッピーエンドになる。すべて笑顔になる。最後はすべて目がそろう。そういうふうに仕上げてくれる、ハリウッド映画って、そこも魅力だ。最近流していない涙に近いものを感じられ、観てよかったと心から思える作品です。