読書『 日本人の誇り』(藤原正彦)

日本人の誇り (文春新書) 2011/4/19藤原 正彦 (著)

先の本で「日本人として自分はこのように振る舞いたいという世界観」という文言があった。自分には日本人として、という視点が弱い。

~自らの国を自分で守ることもできず、他国にすがっているような国は半人前として各国の侮りを受け、外交上で卑屈になるしかありません。~

我が国は憲法で明記されているように、戦争を放棄している。だが国を守ることは必要なので、自衛隊を結成している。それだけなら問題ないのだが、第二次大戦で日本を占領した米国が、ソ連や中国と対峙して、日本を民主主義の防波堤としたわけだ。そして日本と米国が安全保障条約を結び、基地を提供する代わりに守ってもらっているのだ。

米国に対するそのような立ち位置を政府が形作ってきて、国民もそれを支持してきたわけだが、国民の大多数は、自分の生活が国際問題や外交問題とかかわりがないと思っていることも一因だろう。外交上で卑屈であっても経済で勝っていれば、潤っていればいいという心持ちもあるだろう。

安保条約を破棄することが、日本人の誇りの形成につながるのだろうか。