映画『オフィシャル・シークレット』

オフィシャル・シークレット (2018)OFFICIAL SECRETS 監督 ギャヴィン・フッド

わが市の映画館も『鬼滅の刃』一色である。自分がひねくれ者だからか、大ヒットでも興味がわかない。所詮はアニメだろうというわけで、高評価だった本作品をミニシアターで鑑賞。

事実に基づいた作品である。告発の内容が、国家を揺るがすような機密なわけだが、全体的なトーンが暗く、展開が単調なので、何度も寝落ちしそうになった。

私が驚いたことがある。主人公の女性は2年前に本職に就くまで日本で英語教師をしていたそうだ。そして募集の際には職務の内容を知らされていなかった。英国政府は、そんな人材を容易に国家機密に触れさせてしまうのだ。

劇中、主人公は「政府を裏切ることになったが、国民を裏切ることはできなかった」というようなことを言っていた。この主人公の偉大なところは、自分が仕える「政府」で意識を留めることなく、その先の「国民」のことまで考えていたことだ。「政府」と「国民」が対峙する時だってあるのだ。

自分だったら、「管理職や教育委員会」と「子ども」という関係だろう。暗く重い映画だったが、その点は考えさせられた。