読書『働きすぎの時代』Ⅱ

労働時間はグローバル化とも深くかかわっている。

~労働時間は企業活動のグローバル化から大きな影響を受けざるを得ない。グローバリゼーションとは多数の国々にまたがって生産と販売を行う多国籍企業を中心に企業活動の地球規模化が進行し、世界の諸地域間の経済関係の時間的・空間的結びつきが緊密化することである。~

~日本やアメリカやヨーロッパ諸国の労働者が中国その他の途上国の労働者と賃金や労働時間をめぐって直接に競争させられる。週労働時間を比較すればどの国をとっても先進国で最も長い日本より長い。日本の労働者は今では雇用においても労働時間においてもこれらの海外労働者とのグローバルな競争にさらされている。~

グローバル化によって、海外の途上国と競争させられているのだ。働かせすぎだ、なんて文句言ってたら負けてしまうというわけだ。

なおかつ、情報通信技術の発達がグローバル化に拍車をかけている。

~情報通信技術は、正規雇用の多くを非正規雇用に置き換えることを可能にする。結果、多くの労働者から従来の安定した職が奪われ、雇用はますます不安定化していく。全体でみても一人当たりでみても仕事量をむしろ増やしている。労働の時空と生活の時空をネットワークで接続することによって、労働時間を際限なく延長する恐れがある。~

情報通信技術が発達したことで、安定した職が奪われる。労働時間が長くなる。何のために技術が発達しているのかわからなくなる。