読書『働きすぎの時代』(森岡孝二)

働きすぎの時代 (岩波新書 新赤版 (963))– 2005/8/19 森岡 孝二 (著)

私は労働組合に加盟している。こじんまりとしているが活動的な団体である。働きすぎ、労働問題については敏感である。

~「サービス残業」と呼ばれる「賃金不払い残業」。サービス残業は所定の賃金及び割増賃金を支払うことなく所定時間外及び休日に労働をさせる点で、賃金不払いと割増賃金不払いの二重の違法行為であり、被害者数と被害金額から見れば最大の企業犯罪である。~

私は教員であるが、教員の長時間労働も大きな問題になっている。が、教員には「残業」というものが存在しない。時間外労働をした場合、その教員が「自主的に働いた」ということになる。年度初めに、校務分掌、担当学年学級を割り当てられるが、その業務がどれだけの勤務時間になるかということについてはうやむやである。管理職が労務管理、職員の時間管理をするべきだと思う。

 

なぜ働きすぎという事象が発生するのか。

~近年特にホワイトカラーの働きすぎが問題になってきた。その背景にはここ2、30年来のアメリカの経済と企業の変容がある。~

~企業が大規模な人減らしを断行すればコスト削減効果から短期的には企業収益が増大し、株価が上がるのでダウンサイジングを歓迎してきた。株主を重視し、株価を高くすることが企業経営の最優先事項となった。~

~株価至上主義経営の台頭が労働条件を悪化させ働きすぎを助長してきたことは、近年のマスコミのリストラ報道をみるだけでも否定できない。~

株価至上主義が働きすぎを助長させたというわけだ。しかし、学校は株価と関係ないのにな。となると、株価至上主義に染まった企業団体から、国や地方が、株価至上主義を生き抜く人材を育てるように圧力を受けたということだろうか。