読書『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」 』Ⅴ

何でも数値目標を立ててしまうのは私の悪い癖だ。映画に興味を持ちだしたころも、年間50本などとうそぶいていた。そして、「次はその数値を上回らねばならない」と思い込んでしまうところも。

~何事も回数をやればいいと思っていたら何にもならないということなんです。たとえルーティンワークでも中身を実感して一日一日を二度と起こらない一回性の経験というふうに物の本質を見据えてやっている人との間では実力が天と地との差ぐらい違ってくると思うんです。~

本当は、一つ一つに意味があるのに、回数を気にすると本質が見えなくなる。「二度と起こらない一回性の経験」とはいい言葉だ。今も映画をよく観るけど、回数は気にしていない。

~どんな職種でも決して甘いもんじゃないということ。なぜなら「仕事とはニーズがあって初めて発生するもの」だから。もともと自己ではなく社会の論理に属するものだ。極めて現実的な需要と供給の中でしか成立しない。仕事の中で「自分のやりたいことはこれなんだ」とひたすら自我を強く押し出しても必然的に苦しくなるだけです。~

何年も同じ仕事をしていて、年数を重ね、仕事に慣れたというか、「こんなもんだ」と甘く見ていたのだろう。社会の論理に属する「仕事」に自己を介入させてはならない。だが、いつしか仕事で夢を追い、自己実現欲求を満たそうとしていた。そして届かないで、満たされないで苦しんでいた。自分を中心に据えてはならない。消費者のニーズに答えることが第一。