映画『子どもたちをよろしく』

子どもたちをよろしく (2020) 監督 隅田靖

仕事を放り投げて帰宅し、すぐに家を出て、隣市の通好みの映画館で鑑賞。題材が「子どものいじめ」であり興味をそそられたのだ。午後6時からはレイトショーで1000円だとなっていたのだが、この時期はやっていないとのこと。正規の料金を払う。営業自粛とかしていたから仕方ないか。

ここに出てくる大人が皆ひどい。「おいおい、しっかりしろよ」「ありえんだろ」という酷さなのだ。酷い大人による放置で、いじめられる。酷い大人の身勝手さで寂しさからいじめる。いじめる側もいじめられる側も大人の怠惰の帰結なのだ。

だが私は正義感に燃えながら観ていたわけではない。自分は、酒や遊び、借金で生活を乱すというほどではないのだが、それでも絶えず「おまえはどうなんだ、大丈夫か」と自問していた。仕事を放り投げてきたことを反省してしまった。大人としての自分の振る舞いが正しいのか、という問いを突き付けられていた。こんな自己との対話ができるのも、映画の魅力なんですが。

稲垣吾郎主演の『半世界』の子役、杉田君がいい味を出しています。プロヂュースに寺脇研。と言えばかつての「ゆとり教育」。現代の詰め込み教育ではこんないじめが起きるのだと、批判したいのだろうか。でも、将来を担う子どもが置き去りにされていることは事実です。

大人としての生き方を正してくれそうな映画です。大人なら見るべし。