読書『感情労働シンドローム』Ⅱ

サービス業であればお客のニーズに合わせなくてはならない。ということは、客に合わせて自分を変えるということだ。

~すべては自分の問題。仕事のためには…必要とあらば自己変革もいとわない人間になれ、という世の中にあふれているメッセージです。本来なら仕事を取り巻く環境の劣化を改善するには、なるべく多くの人が幸せに働けるよう、法律や教育制度や社会全体の仕組みを変えていくしかないように思うのです。…政府も、企業も、社会全体も、解決策を個人に委ねようとしているのです。~

私も労働組合に入り、幸せとまでいかなくても気持ちよく働けるように活動してきた。だが、その成果は微々たるものだ。学校とか、市教委、県教委という問題ではなく、国からのトップダウンで滅茶ぶりが降りてくる。

「自分ですべて対応しなさい」ということから「自己責任」という言葉を連想した。

感情労働は、相手が期待している満足感や安心感を作り出したり、不安感を解消させるために自分の感情をコントロールするものです。…今という時代は部下の感情をいかにうまくコントロールするかが上司に要求されるのです。~

部下は子ども、上司は教師に変えられるだろう。子どもの感情をいかにうまくコントロールするかが教師に要求される。いや、教師は保護者の感情もコントロールせねばならない。子どもや保護者の感情を損ねないように、教師はにこやかに、穏やかに、自分を演じなければならない。それができなければ、「自分で選んだ職業だろう」と自己責任論を振りかざされるのだ。