読書『自立が苦手な人へ』Ⅱ

 

教育に関する記述があった。

ゆとり教育が掲げた理念は知識偏重の詰め込み教育ではなくて、思考力・応用力を養い、自分自身で考える力を養うというものだった。確かに詰め込み教育は後退したが、自発的に考える力や応用力は全く伸びなかった。ー

かつて詰め込み教育は後退したが、そこから学力低下問題が高まり、よりいっそう詰め込みとなっている。教科書も厚くなり、教える内容も増え、授業数も増えている。

なぜ、思考力や応用力は伸びなかったのだろう。詰め込みを回避した分のエネルギーは、生活科や総合的な学習に向けられた。その中心は問題解決能力である。そして、我々現場の教師は思考力や応用力を伸ばす具体的な方策を持ち得ていなかった。

ー知識の詰め込みと応用力の向上は相反するものではなく、むしろ相乗作用で伸びるのではないか。知識は材料に過ぎないが、材料なしに思考力も応用力もあったものではない。ー

思考力?、応用力?、そんなこと知ったことか。現場の教師に「子どもにこんな力をつけたい」なんて思いはない。雑務に追われ、毎日がその日暮らしだ。