読書『メンタルヘルス』Ⅱ

 

ー所詮、人間ができることには限界がある。精一杯やってできないことは仕方がないと開き直ることができれば、うつ状態に陥ることを防げる可能性が高いが、「自分の頑張りが足りないために人々に迷惑をかけている」と自分を責め、身体的にも精神的にもますます疲弊していく人がいる。ー

仕事がうまく回らなければ、「できないのは自分のせい、自分の力が足りないからだ」と思ってしまうものだ。周囲から励まされても、目の前の現実はやはり回らない。今日も自分を責めている誰かがいる。

きっと、もっと仕事にゆとりがあった時代は、みんな、助け合っていたんだろうな。給料を減らされ、仕事が増え、社会全体の目も厳しくなってきて、他人とつながる余裕もなくなったのだ。

ー50歳前後になると何となく自分の能力や意欲の限界を感じ取るようになってくる。仕事中毒的に職務に関わってきた人にとっても現実が見え、自分の目指してきたものの限界が明らかになってくる。ー

そう、限界があるのだ。今までできたから、これからもできる、と思ってはいけなかったのだ。自分へ過度に期待しすぎていたのだ。