読書『正しく生きる』Ⅲ

 

掃除の指導は苦手だけど、掃除は好きだな。著者の真骨頂の「そうじ」に関する文面があった。

ー「心が取り出して磨けないものだとしたら、磨けるものを片端から磨きなさい。それが間接的に自分の心を磨くことになる」見ているものに心が似るのだから、目に見えるものすべてを磨き上げれば、心も磨かれるというわけです。ー

こういわれると、妙に納得してしまう。

ー自分の手で磨けるものを磨くということが間接的に荒れて波立った心を穏やかにしてくれる。それが掃除が心を癒すことの本質です。ー

ー掃除をすると他者への配慮ができるようになります。思いやりという土台を築く作業はここから始まります。掃除を通じて「譲る心」も生まれてきますし、「恥」ということを知ることもできます。世の中の根本が思いやりの心です。-

この文は、以下の「人間の四条件」につながるのだ。

ー「惻隠の情」といって思いやる心、「羞恥」といって恥を知る心、「辞譲」といって譲る気持ち、「是非」といって善悪の判断、この4つを備えていなければ人間ではない。-

掃除ができる、ということも人間の条件ということができる。